2012年5月26日土曜日

拘り

元々は否定的な意味の「こだわり」という言葉も、今は「品質を一切の妥協を許さずとことん追求しました」のような良い意味で使われます。



こだわりの「国産畳表」と、こだわりの「昔ながらの藁床」を使用し、店主が施工にもこだわり手間ひま掛けた畳を納品します…

去年はそんな「こだわり」が一切通用しなかった年でした…

むしろそんな「こだわり」が障害になるような年でした…

物が無い。なんとか材料を仕入れると、届くたびに品質がバラバラ… でも大量のバックオーダー。納期も無い。


いつもの自分のこだわりはこだわりとして取っておいて、お客さんから何を求められているのか…その一点に去年は焦点を合わせました。

失敗も山のようにしましたが、それ以上に収穫もありました。


まず、やればできるんだという自信が付きました。
新しい素材を試せたので、定番商品の巾が広がりました。
新しいノウハウも生まれました。
新しいお客さんや業者さんと知り合えました。
何よりも協力できる仲間ができました。

それでいて畳屋としてのこだわりは潰えたわけではなく、理想の畳を追求したいという欲求は保持したままです。

「こだわり」は品質や技術を保つために重要です。
でも場合によっては、もっと重視すべきことがあることを知りました。



「こだわり」と「世の中の動き」のはざ間でこれからも試行錯誤していくんだと思います。


               去年、メインで畳を作ってくれた山形の畳屋さん(写真)を
                   初めとして、沢山の畳屋さんに助けてもらいました。

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