2012年7月6日金曜日

時代

畳屋の仕事も変りました。


変わったというか、時代の変化とともに付加的なサービスがいろいろ増えました。

例えば、畳替えに伴う掃除があります。

私が独立するくらいまでは、畳替えというとお客さんと畳屋の共同作業でした。

畳屋が畳を引上げて夕方の納品まで戻ってくるまでの間、床や、家具の裏などの掃除は
家の人の仕事で、また、畳を敷きこんだあとの畳の空拭きも、お客さんに何の疑問も無く
お願いしていた。お客さんのほうも何の疑問も無く、そういうものと思って、畳替えの日は
仕事を休んでまで掃除したり。

こうして文章にしてみると、なんか大らかな時代だったのかなあと感じます。

今では、一切の掃除は当然のように畳屋のほうがやる時代になりました。

あと、変わったのは、お客さんの衛生的な感覚。
衛生…というよりは、人々の微妙な部分の気持ちの感覚。

例えば、一昔前までは、畳の裏返しをする場合、たまに痛みや汚れで裏返しが出来ない場合、
サービスで中古の畳表を使ってあげたりすると、とても喜ばれたものでした。

でも今の一般的な人の感覚は、「誰がどのように使ったかも分からない畳表は気持ち悪くて
嫌だ」というものです。
ある一人のお客さんからそのように言われて、それ以降、親切心から当たり前のように
やっていたそのサービスは中止しました。
一人がそう思うということは、結構な数の人が同じように思っているということですから…

同じような理由で中古の畳が欲しいという人もいなくなったような気がします。
また、以前は中古の畳表で作った薄縁作り置きして、畳替えのお客さんにプレゼントしてましたが、
それも止めました。かつては、とても喜ばれた物でも今は感覚が違います。



昔は、腕があればよかったですが、今は、技術+綺麗で清潔な、また、清潔さを連想させるような仕事が望まれている時代だと思います。





と、まあそんな理由で、今は2台の掃除機を持ち歩いています。

右が床や家具の裏の掃除用。左が、畳の仕上げ用。
床掃除したので、畳の表面やられるのは嫌かなあと思い使い分けています。
あと、床用の掃除機は排気が半端でないですからね。

ちなみに仕上げ用はシャープの新型で、超軽量、パワーブラシ付。
プラズクラスター搭載で、掃除した部屋の空気を綺麗にしてくれる優れものです。
分解も簡単で手入れも楽です。超軽量な分、非常にちゃっちいので丁寧に扱わないと
すぐ壊れそうですが、とても気に入って使ってます。

2台使い分けていると、たまにお客さんから、
「朝使ってたのと違う掃除機だね」などと、軽く驚いてもらえたりするのが
少し快感です。「わかりました~」などと言ってですね…



十数年前は、ほうき一本でよかった仕事ですが、時代の変化とともに進化させてます。