2012年8月23日木曜日

再起

震災から1年五ヶ月が経ち、以前とは何もかも変わったしまったことを日を経るごとに実感しています。

かなり大きな部分が、津波の被害のあった地域で、自分の納品した畳や襖の多くは残っていないばかりか、沢山のお客さんがなくなり、あるいは土地を離れ、創業以来積み上げてきた何かは消えてしまいました。

その一方で、再びこの地域で生活する人たちが必要としていることは当然ですが、多くあります。
それは、土地や住宅でしょうか? それともほかの何かでしょうか?

それで今沢山の建築関係の業者が全国から、この石巻、東松島地区に来ています。あたかも怪我した患部に血流が集中して、治癒を促すかのように…

畳屋の自分がこれからすべきことは一体どんなことでしょうか? 
以前と同じように現場の一職人として畳を作ることでしょうか?
それもやや大げさに言うと、天命のような何かがあるのでしょうか。

再起せよ! 奮起せよ! と、私の中の血が騒いでいる今日この頃です。

まあ、そういうものが見つかるまでは、地道に畳を作っていくことにします。地域は、畳屋をまだ必要としているみたいです。


と、いうことで最近の畳です。





当店定番のブッチー印の市松畳です。
色艶MAXです。最近の中国産の品質は一部の国産に明らかに勝ってますが、この畳表は中国には無い味わい深さを持っています。さすが!!
同じ家なのですが、見る方向、部屋によっていろんな表情を見せます。
津波の被害を受けた家でしたが、畳を敷くことにより、被災したことを少し忘れさせてくれるような明るい雰囲気になりました。
どこの現場もそうですが、畳を敷くことが、リフォーム終了の合図になり、お客さんの再起の第一歩のタイミングにもなります。