2013年2月3日日曜日

斬新

だと思います。意外に。

本来ならば、縁無し畳専用の畳表ですが、今回は縁付きで施工。

こうすることの利点は…
  
1. 洋間にも合う。
2. 織りが細かく摩擦に強い。
3. 見た目が斬新。
4. 手触りがサラっとしてて気持ち良い。

欠点もあります。

1. 地が薄いので時間の経過とともに床の凸凹が表面に出やすい。
2. 普通の畳表と厚さが違うので、施工の際気を遣う。
3. 地が薄い分、畳の固さがダイレクトに。
まあ、これらは、お客さんではなくて、こちらの都合ですね…工夫次第で補えます。





うう…なんかレンズ汚ね…

今回は中に2ミリのクッションシートを入れて畳表の固さを補いました。
手触りサラサラだしクッション柔らかだし、気持ち良いです。座布団無しでいつまでも座っていたい感じです。

去年からこの畳表、縁付き用としても定番商品にしましたが、縁付ではあまり売れませんでした。
商品の実力はあるのでもっと売れても良かったはずですが…
やはりネーミング考えないとだめですね。名前付けると急に命が吹き込まれますから。


ちなみに品物はこちらです。
生産者さん、名人です。
すみません、やすりんさん、モノは最高なので今年はかんばってもっと出します。

2013年2月2日土曜日

久々

の更新…


この時期、仕事は比較的余裕がありますが、この時期ならではのやることがあります。
かたずけやら、棚作ったり、配置変えてみたり…前の年、作業してて効率悪く感じたところを
徹底的に工夫していくことにより、本年は快適に仕事できる…はず!  
 
…と、毎年似たようなことを繰り返しているのは何でなのでしょうか?



で、今日の畳





当店人気の市松畳です。
縁は綿の紺無地を使用しました。最近は派手目の柄縁を市松に使うことも多いですが、
市松+紺無地の組み合わせは一番好きです。

ちなみに畳表は熊本の田淵稔氏が十数年かけて開発した「平成諸目」という特殊な織りで畳の目がくっきり出る仕様で仕上げてあるこだわりの品、誰も作っていない特別な市松表です。
施工すると見た目が普通のものと全然違います。



今日辺りから、しばらく更新続けます。


2012年12月30日日曜日

今年も完全燃焼



例年のように、今年も真っ白い灰になるまで働きました。

特に9月から今月までの注文件数どうやってこなしたのって感じです。
10月10まで稲刈りがあってそれ以降正味3ヶ月未満で90件の注文を処理。
月30件の見積り、施工、集金をほぼ一人(もちろん家族の協力はありました)。

両手腱鞘炎寸前で、もうこれ以上はムリというところまで働きました…


子供に、自分で仕事とってるんだからコントロールすれば無理しなくてもいいよね…
ということを言われています。
まあ、おっしゃる通りです。全く異論はございません。
でも、子供よ、お前が将来もしかして俺の店を継いだら絶対無理すると思うよ。
なぜなら俺と同じ血が流れているから。

体力気力の限界までトコトンやる快感というのがあるわけで…
なんというか歯磨き粉のチューブの肩の部分を無理やり変形させながら最後の一絞りまで
使いきる満足感に似ているような…

でも、31日ギリギリまで仕事させてもらえるのは幸せなことです。
本当にありがたいです。


大晦日ラスト残り一日、障子のはりかえと、数件の用事が残っています。

いやーよくがんばった、俺。


皆さん、良いお年を!

2012年9月24日月曜日

新商品2

昨日の謎の高級畳、こんな風な用途で使用されます。







オーディオルームの敷物兼地震の際にスピーカー倒れたときのクッションとして、畳が必要になったということでした(事実昨年の地震でスピーカー倒れて、床とスピーカーの両方破損したそうです)。で、こだわりの趣味の部屋ということで、畳も一番良いもの、天然素材のもの…ということでした。

意外に音響機器や専用の内装の部屋に備後畳は良く馴染んでいます。まるで初めからそこに設置されていたような…

嗜好品としての畳、消耗品ではなく家具に近い感覚の畳…もう地草の備後畳しかありません。
少し余談ですが、備後の最高級と言われてきた本口備後は瀬戸内海に近いところで作られていましたが生産者さんが居なくなってもう入手できなくなりました。今回のも備後地草でも内陸の方で作られたので本口ではないのが少し残念なところです。その内陸側でも2名の生産者さんががんばっておられることを聞いています。今回の品も備後に十分ふさわしい品質を保ち1000年に渡るノウハウを伝えるものになっているだけに、なんとか産地として残って欲しいという気持ちで一杯です。

と、まあ、この畳も3年、5年と、時間の経過とともに、まばゆいばかりの光沢を放っていくことでしょう。こんな点からも備後は家具的な感じがします。

で、嗜好品、家具のような感覚の畳という商品カテゴリーを作りました。

                コレ↓




名付けて、「親父の居場所」。
「おとうさん、いつも死ぬほどかんばってきたのだから、自分のテリトリーくらいは最高級の畳を自分にご褒美ですよ!」 というのがコンセプトです。

単に畳単品ではなく、コンセプトまで含めて商品にするというのは案外画期的と思うのですがどうでしょうか? 
似たような感じで幾つかの商品カテゴリーを今準備中です。

今回の注文から良いヒントをもらえました。ありがとうございます。


新商品 その1

 私の感覚からいえば、畳はどんなに上等のものでも、日用品の消耗品。
多少の汚れ、傷など神経質にならないで、バンバン使い倒して、支障がでるくらい痛んだら貼り替えればいい…と思うのです。多分畳屋してなくてもそんな感じだと思います。

そんな中、あるお客さんの要望もあり、嗜好品に近い感覚の畳を今回作りました。

洋間に一枚だけ畳を置くので、一番良いものを、なるべく天然素材で、縫い目が側面に出ない仕様で、なるべく薄く…といった注文を受け、作りました。


最初、いつもの定番品の熊本産を木質系ボード床にタッカー留めを考えていましたが、お客さんの要望に応えるべく、秘蔵の備後地草の最高級品長引き表を特注一寸厚の藁床に縫い目が出ないように手縫いで仕上げました。

何しろ畳表が3㎏近い(当店定番の熊本産で2,3㎏位)ゴツゴツの品なので、普通の薄床だと、床が負けてしまうため、床の工場に特注で備後表に負けない腰のあるヤツを作ってもらいました(構造は一応秘密です)。

試行錯誤の甲斐あってシワも出ずきちんと張れて綺麗に仕上がりました。

それにしても洋間になぜ高級畳を1枚…
明日の画像で謎が解けます。
ああ、こんな需要もあるのか…と気づかされ、今回開発した畳をあるカテゴリー商品として定番化しました。

明日に続きます。

2012年8月23日木曜日

再起

震災から1年五ヶ月が経ち、以前とは何もかも変わったしまったことを日を経るごとに実感しています。

かなり大きな部分が、津波の被害のあった地域で、自分の納品した畳や襖の多くは残っていないばかりか、沢山のお客さんがなくなり、あるいは土地を離れ、創業以来積み上げてきた何かは消えてしまいました。

その一方で、再びこの地域で生活する人たちが必要としていることは当然ですが、多くあります。
それは、土地や住宅でしょうか? それともほかの何かでしょうか?

それで今沢山の建築関係の業者が全国から、この石巻、東松島地区に来ています。あたかも怪我した患部に血流が集中して、治癒を促すかのように…

畳屋の自分がこれからすべきことは一体どんなことでしょうか? 
以前と同じように現場の一職人として畳を作ることでしょうか?
それもやや大げさに言うと、天命のような何かがあるのでしょうか。

再起せよ! 奮起せよ! と、私の中の血が騒いでいる今日この頃です。

まあ、そういうものが見つかるまでは、地道に畳を作っていくことにします。地域は、畳屋をまだ必要としているみたいです。


と、いうことで最近の畳です。





当店定番のブッチー印の市松畳です。
色艶MAXです。最近の中国産の品質は一部の国産に明らかに勝ってますが、この畳表は中国には無い味わい深さを持っています。さすが!!
同じ家なのですが、見る方向、部屋によっていろんな表情を見せます。
津波の被害を受けた家でしたが、畳を敷くことにより、被災したことを少し忘れさせてくれるような明るい雰囲気になりました。
どこの現場もそうですが、畳を敷くことが、リフォーム終了の合図になり、お客さんの再起の第一歩のタイミングにもなります。



2012年7月6日金曜日

時代

畳屋の仕事も変りました。


変わったというか、時代の変化とともに付加的なサービスがいろいろ増えました。

例えば、畳替えに伴う掃除があります。

私が独立するくらいまでは、畳替えというとお客さんと畳屋の共同作業でした。

畳屋が畳を引上げて夕方の納品まで戻ってくるまでの間、床や、家具の裏などの掃除は
家の人の仕事で、また、畳を敷きこんだあとの畳の空拭きも、お客さんに何の疑問も無く
お願いしていた。お客さんのほうも何の疑問も無く、そういうものと思って、畳替えの日は
仕事を休んでまで掃除したり。

こうして文章にしてみると、なんか大らかな時代だったのかなあと感じます。

今では、一切の掃除は当然のように畳屋のほうがやる時代になりました。

あと、変わったのは、お客さんの衛生的な感覚。
衛生…というよりは、人々の微妙な部分の気持ちの感覚。

例えば、一昔前までは、畳の裏返しをする場合、たまに痛みや汚れで裏返しが出来ない場合、
サービスで中古の畳表を使ってあげたりすると、とても喜ばれたものでした。

でも今の一般的な人の感覚は、「誰がどのように使ったかも分からない畳表は気持ち悪くて
嫌だ」というものです。
ある一人のお客さんからそのように言われて、それ以降、親切心から当たり前のように
やっていたそのサービスは中止しました。
一人がそう思うということは、結構な数の人が同じように思っているということですから…

同じような理由で中古の畳が欲しいという人もいなくなったような気がします。
また、以前は中古の畳表で作った薄縁作り置きして、畳替えのお客さんにプレゼントしてましたが、
それも止めました。かつては、とても喜ばれた物でも今は感覚が違います。



昔は、腕があればよかったですが、今は、技術+綺麗で清潔な、また、清潔さを連想させるような仕事が望まれている時代だと思います。





と、まあそんな理由で、今は2台の掃除機を持ち歩いています。

右が床や家具の裏の掃除用。左が、畳の仕上げ用。
床掃除したので、畳の表面やられるのは嫌かなあと思い使い分けています。
あと、床用の掃除機は排気が半端でないですからね。

ちなみに仕上げ用はシャープの新型で、超軽量、パワーブラシ付。
プラズクラスター搭載で、掃除した部屋の空気を綺麗にしてくれる優れものです。
分解も簡単で手入れも楽です。超軽量な分、非常にちゃっちいので丁寧に扱わないと
すぐ壊れそうですが、とても気に入って使ってます。

2台使い分けていると、たまにお客さんから、
「朝使ってたのと違う掃除機だね」などと、軽く驚いてもらえたりするのが
少し快感です。「わかりました~」などと言ってですね…



十数年前は、ほうき一本でよかった仕事ですが、時代の変化とともに進化させてます。